7月16日
8月10日
ワサビウムを立ち上げて2ヶ月近く経ちました。もともと付いていた葉はシナシナになって落ち、ボリュームが減っています。これはどうなんだろうか。やばいのか?やっぱりこの暑さが原因か?
ということでワサビの勉強をするためにワサビ農園に行くことにしました。和歌山の印南町、駅から1日4本しかないバスに乗って、昔は真妻と呼ばれた地域まで来ました。暑い。
バスから降り、歩いてワサビ農園に向かう途中、ふと小川を見たら…
あ!あれワサビじゃね?野生化したワサビだ。いや、もしかしたらフキ?どっちかわからないけど、これは期待できます。
ということでやってまいりました『平井わさび農園』さんです。真妻のワサビと言えば高級品で、以前は農園も多かったそうですが、台風などで何度も大きな被害を受けてワサビ農園が激減。そんな中、平井わさび農園さんは現在唯一、和歌山で生業としてワサビを栽培し、真妻のワサビ文化を守っているという、めちゃくちゃかっこいい農園です。詳しくはこちらやこちらやこちら。
そんなすごいワサビ農園に飛び込み、ワサビ栽培について色々教えてもらってきました。『平井わさび農園』さん本当にありがとうございました!教えていただいた内容をQA風に簡略化して記載します。
Q:加藤水槽のワサビウムが最近元気がないように感じます。水温は14〜16℃にしていますが、やはり気温が問題でしょうか?
A:ワサビは水温が13度前後がベストであり、水温さえ合っていれば気温はある程度暑くても寒くても大丈夫。また、ワサビが生長するのは春と秋、特に春であり、夏や冬は成長が止まり古い葉は落ちるのはしかたがない。
ワサビ農園の水、むちゃくちゃ冷たくて長く足つけるのはきつかったです。でも確かに沢周辺でも気温はそこまで涼しくはなかったかもですね。野生のワサビもあったし。
Q:光はやはり暗いほうがいいんでしょうか?暗いとしても、どっちかと言うとちょっと明るい方がいいんですか?かなり暗いほうがいいんですか?
A:光はかなり重要。直射日光はダメだが、実はどちらかと言うと明るい方が成長は良い。しかし明るすぎると腐ってしまう。遮光ネットで日当たり具合を細かく調整している。
農園の屋根部分。遮光ネットを日当たり具合にあわせて被せているそうです。
Q:そもそも私のAQUA-Uを使ったワサビ栽培はどう思われますか?
A:ワサビは根の部分に酸素を豊富に送ることがむちゃくちゃ重要。そういう意味では理にかなっている。ただ底砂が赤玉なのが崩れて酸素不足を招きそうで気になる。実際のワサビ農園は砂利、礫や砂など通水性が良い土壌を用いている。
水面まで水を上げ、底面フィルターで水を底から吸い込むこの方式は根に酸素を与える上では的を得ているようです。ほっ。でも現在使用している底砂の赤玉ソイルは、今後やばそうだったらアドバイスにしたがって砂利中心にしていこうと思います。
Q:タイマーで照明を時間を管理していますが、何時間くらい点灯するのが良いと思いますか?実際のワサビ農園の日照時間はどれくらいですか?
A:ワサビは北側で育てるのが良いとされている。朝日が少し当たり、西日が当たらないくらいが良い。ワサビ農園の日照時間は季節によって変わるがだいたい6時間程度なので、照明も6時間程度で良いのでは。
ワサビ農園は北側だから日照時間も短く、西日が当たらないからカエルも涼しげでした。
Q:肥料はどうされていますか?
A:基本的に肥料は使っていない。水と土壌の栄養で十分。ただ落ち葉などの有機物があると良いという地域や、液肥を上げている地域もあるので、環境次第。
土地によって様々な栽培スタイルがあることがわかりました。少なくとも真妻では肥料は必要ないそうです。加藤水槽の方も様子を見ながら基本は肥料少なくやっていくつもりです。
Q:ワサビ栽培で困ることとは何でしょうか?
A:ヨコエビ等による根の食害。青虫による葉の食害。また、墨入病などの病気。
ヨコエビはアクアリウムの世界でもちょくちょくお目にかかりますが、ワサビ栽培ではとにかく厄介者だそうです。ちなみに写真のようなコケの生えた石も、ワサビ栽培においては邪魔なだけだそうで、おみやげに石いっぱいもらいました。
他にも色々教わりましたが、上記が主な質問内容でした。ホントすごく勉強になりました。さて、上にもあるように『光がすごく重要』ということですが、それだけじゃ具体的にどれくらい明るくしたらいいかわからない。わからないからiPhoneアプリの簡易照度計で測定してみることにします。
まずは参考値としてその辺の葉っぱ
直射日光が当たれば10000〜20000LUXは簡単に出る感じです。
そしてワサビ農園のワサビの葉っぱ
3000〜5000LUXというとこでしょうか。なるほど直射日光を50〜75%は遮光していることになりそうです。
このデータを元に家のワサビも測定してみましょう。
ぎゃー暗い!暗くするためにわざと光源を遠くしてたんだけど、いくらなんでも暗すぎた!光源をもっと近づけよう。
ググッと光源を近づけたら、いっきに良さそうな数字が出てきました。なるほどなー。今後は光源を近づけるか、光源を増やすか検討しないといけなさそうですね。
以上、水槽でワサビが育てたい多くの方へ向けたレポートでした。お役に立てていただければ幸いです。
ちなみに『平井わさび農園』さんからワサビの苗を少し譲っていただきました。平井さん何から何までありがとうございました!大切に育てます!
※1 アプリの照度計はカメラ機能を使った物で、同じ光源でも対象の固有色によって数値が変わります。なので同じ対象(今回は葉っぱの緑色)を違う光源で測定すれば、おおよそ光源の照度の比較ができる、といった使い方をしています。
※2 この照度(LUX)はあくまで人間の目が基準の物であって、光合成の効率は考慮していません。光合成とLUXの関係についてはコチラをご覧ください。
※3 今回使用した照度計アプリ"LUX Light Meter FREE"

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