今回は前回のエアリフト式加藤水槽の作り方編、後編です。
前回の記事で3Dプリンターで印刷するところまで書きました。印刷自体が失敗することも結構あると思いますので、そのときはペン立てにでも使ってください。
今回は以下の2、3になります。
1、3Dプリンターでデータを出力する。
2、防水処理をする。
3、ガラス水槽を出力したモデルに接着する。
-------------------
【エアリフト式加藤水槽作り方】
2、防水処理をする。
FDM方式で作った容器はフィラメントを積み重ねて作るんですが、どこかしらミクロの隙間があるようなので基本的に水を貯めることができないんです。じわじわ水漏れします。特殊な印刷設定ができれば別かもしれませんが…ですので防水処理が必須になります。そしてこの工程が、いろいろな意味でとにかく一番ハードルが高いです!十分に気を付けて行ってください。
※ジクロロメタン(塩化メチレン)を使用します。環境負荷とヒトへの毒性がありますので、必ず正しい使用方法と廃液の管理、また作業時の換気を徹底してください。
まずはガラスに出力したモデルをジクロロメタンでくっつけます。このガラスは作業時の持ち手になりますので、部分的に軽くモデルにくっついているだけでOKです。ガラスはジクロロメタンで溶けないので、ガラスの上にジクロロメタンの水たまりを作って、その上にモデルを押さえつける感じがおすすめ。
ジクロロメタンをポリプロピレンのタッパーになみなみと注ぐ。必ず換気の良い場所(屋外とか)で作業してください!
ガラスをもって、そのままモデルをジクロロメタンにどぶ漬け!一瞬でOKです。
一瞬でジクロロメタンから引き揚げたら、直後エアチューブをモデルのエアチューブ接続部に繋げ、エアポンプからエアーを送って配管内部にたまったジクロロメタンを吐き出させます。この工程をやらないと、配管内部がジクロロメタンで溶けて詰まり、後でエアリフトできなくて台無しになります。
ジクロロメタンの排出が終わったら、速やかにエアチューブをモデルから外してください。チューブとモデルがくっついちゃいます。
その後、10分ほどで表面が固まったらカッターナイフや薄い金属ヘラなどでガラスとモデルを引っぺがしてください。
フィラメントの跡が無くなり、表面が滑らかになっています。これで防水加工完了。
3、ガラス水槽を出力したモデルに接着する。
防水加工したモデルとガラス水槽をシリコンでくっつけて完成です!ここまでくればあと少し!
まず、準備として0.1mmの薄いステンレス板を20mmくらいの幅で切って用意しておいてください。ガラス水槽の解体にめちゃくちゃ役立ちます。
使用するのはグラステリアフィット100CUBEです。底のガラスだけを抜きとります。
先ほど用意した薄い金属板を水槽を接続してあるシリコン部分に差し込みます。※薄い金属板で手を切るので、必ず手袋をして作業してください!
パカっと簡単に外せます。
本体に残ったシリコンはカッターナイフの刃でこそぎ取ると綺麗になります。
出力したモデルに写真のようにマスキングをしてください。
プラスチック系とシリコンコーキング材は基本的にあまり相性が良くないので、モデルのシリコンを塗るところに接着性を高めるプライマーを塗っておいてください。今回はセメダインのシリコーンシーラントプライマーD3を使用しています。
プライマーを塗った個所にシリコンシーリング材を塗布し、上に底を切り抜いたガラス水槽を押いてください。重しを乗せると形のゆがみもなくまります。シリコーンは私は信越シリコンのKE45を使用しています。でも200円くらいの普通のシーリング材でも全然OKです。防カビ剤は入ってないやつにしましょう。
シリコンが固まったらマスキングテープを剥がし、はみ出したシリコンをカッターナイフの刃で切り取って完成!
防水加工が難しいのが、今回のモデルの最大の課題です。3DプリンターでABSで出力できればジクロロメタンじゃなくアセトンでどぶ漬けできるので、だいぶ敷居が下がるんですが、ABSは出力自体が難しい… となかなか課題が多いので、より良い方法がありましたらぜひ私に教えていただければと思います。
ということで、皆様、創意工夫で3Dプリンターでの自作アクアリウム、挑戦してみてください!
ちなみに加藤は先月光造形方式の3Dプリンターも買ってしまいました…

↑クリックしていただけると多少モチベーションが上がって、更新頻度が上がります。よろしくお願いします!