〜前回までのあらすじ〜
アクリル、PET、ポリカードネート、エンビ、ABSの5種類のプラスチックの内、どれが最も水槽のフタに向いているかを調べるため、10日間の実験を開始したのであった。
ということで結果発表です。実験の詳細は前回の記事で確認してくださいね。皆さんはどんな結果になっていると思いますか?10日間たったあとのそれらの状態はといいますと…ん!かなり差が出ています!触ってみると反っているものは明らか。網の上に置いてあったので重さでたるんだんじゃないんです。両端が反りあがって浮いちゃってるんです。そして種類による差は歴然。じゃあ早速1つ見てみましょう!
なんと!わかりづらい!このプラスチックはかなり反っている感じなのですが、それでも全然ピンときませんね。反った部分を上に向け、奥に1mm間隔の線を引いた板を置き、真横から撮影して他のと比較しようとしたのですが、1〜2mmの反りだとほとんどパッと見変わらないんです。フォローしておくと18cmの長さの板が2mm反るって実物を見るとすごく反ってる感じなんですよ!1mmの反りでも大きい板ならそうとう反って感じるでしょう。とは言ったものの、この写真じゃ比べようが無いですよね。そこで考えました。
こんな感じで、最も反り上がった部分から水平に線を引いて右端で比べてみましょう!幸いどの板も右端は写真に納まっていました。これで計測方法も決まったので、早速反りにくいランキング、いってみましょう。
第5位(ビリ)
ABS樹脂
はい、先ほどから使っている写真が、最も反ってしまったプラスチック、ABS樹脂でした!この結果から考えると、一番フタにしてはいけないのはABS樹脂です!とはいっても、ABS樹脂は工作素材としてはむしろ珍しいですからあんまりフタにする人はいないですよね。もし売ってても水槽のフタにはしないほうがいいですよ。
第4位
アクリル樹脂
ビリから2番目に入ったのはおなじみアクリル樹脂でした。ビリではなかったものの、やっぱり反ってますね。18cmでこれですから、30cmくらいの水槽に使うだけでもすぐに「たわんだ」と感じられるでしょうね。フタにはお勧めしません。
第3位
PET樹脂
3位はPET樹脂です。まぁまぁ反ってますね。手には入りやすいからついフタに使ってみたりすることも考えられますが、やっぱり反る覚悟はいるでしょうね。どんどんいきましょう。
第2位
ポリカーボネート
2位は、ポリカーボネートでした!この結果はもしかしたら意外に思う人もいるかもしれませんね。なんせ水槽のフタ用でポリカーボネートのフタをお勧めするケースがあるからです。確かにアクリルとかに比べると反りにくいと思いましたが、まったく反らないというわけじゃないのでしょうね。ただ、透明度はバッチリなので、透明度とのバランスで考えると確かにフタとしてはアリなのかなと思います。
第1位
塩化ビニール
栄えある第1位は塩化ビニールでした!結果はダントツでした。反ってないんです。エンビすげぇ。俺なら水槽のフタはエンビにします。ただエンビ、唯一の弱点は透明度がちょっと低いんですよね。(追記:下にも追記しましたが、エンビは熱にも弱いです。唯一の弱点じゃなくて唯二の弱点です。)
前回の記事に載せた画像ですが、エンビは左から2番目。中央のアクリルに比べると、やっぱりちょっと色味がありますよね。俺は気にならない範囲ですが、すごく光にこだわる人にはお勧めしないですね。
いかがでしたでしょうか?とってもニッチな内容でしたが、一部の限られた方々は楽しめたのではないでしょうか。素材によってバラつきもあるでしょうからあくまで参考程度にしてくださいね。他にも厚さや重さによる反りやすさも関係してきますからね。んーフタも奥が深い!
これが楽しめちゃった方も楽しめなかった方も、きっとアクアライフの記事はもっと楽しめますよ。なんせ写真とイラスト沢山です。加工の仕方とかはアクアライフ6月号に詳しく書きましたので是非見てくださいねー!
※追記
コメントで就活なうさんから、「エンビは熱でスルメイカみたいに反りますよ!」という情報を頂いたので、早速ヴォルテスの直下に置いて実験してみました。反りました!熱源に近いところが歪んじゃったといった感じです。熱に弱いのは間違いないようです。とはいえ熱源から遠かったりLEDでやってる水槽ではほぼ反りは見られないので、使用する環境を考えて選ぶのが無難そうです。就活なうさんの仰るとおりポリカーボネートはインターネットで調べても熱に強いと評判なので、確実に反らしたくないなら分厚いポリカーボネート、照明の熱が大したことなさそうならエンビ、と使い分けるといいかもしれません。

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