2018年08月13日

ワサビ農園でワサビを学ぶ【ワサビウム】

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6月28日 ワサビウム立ち上げ

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7月16日

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8月10日

ワサビウムを立ち上げて2ヶ月近く経ちました。もともと付いていた葉はシナシナになって落ち、ボリュームが減っています。これはどうなんだろうか。やばいのか?やっぱりこの暑さが原因か?

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ということでワサビの勉強をするためにワサビ農園に行くことにしました。和歌山の印南町、駅から1日4本しかないバスに乗って、昔は真妻と呼ばれた地域まで来ました。暑い。

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バスから降り、歩いてワサビ農園に向かう途中、ふと小川を見たら…

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あ!あれワサビじゃね?野生化したワサビだ。いや、もしかしたらフキ?どっちかわからないけど、これは期待できます。

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ということでやってまいりました『平井わさび農園』さんです。真妻のワサビと言えば高級品で、以前は農園も多かったそうですが、台風などで何度も大きな被害を受けてワサビ農園が激減。そんな中、平井わさび農園さんは現在唯一、和歌山で生業としてワサビを栽培し、真妻のワサビ文化を守っているという、めちゃくちゃかっこいい農園です。詳しくはこちらこちらこちら

そんなすごいワサビ農園に飛び込み、ワサビ栽培について色々教えてもらってきました。『平井わさび農園』さん本当にありがとうございました!教えていただいた内容をQA風に簡略化して記載します。

Q:加藤水槽のワサビウムが最近元気がないように感じます。水温は14〜16℃にしていますが、やはり気温が問題でしょうか?
A:ワサビは水温が13度前後がベストであり、水温さえ合っていれば気温はある程度暑くても寒くても大丈夫。また、ワサビが生長するのは春と秋、特に春であり、夏や冬は成長が止まり古い葉は落ちるのはしかたがない。

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ワサビ農園の水、むちゃくちゃ冷たくて長く足つけるのはきつかったです。でも確かに沢周辺でも気温はそこまで涼しくはなかったかもですね。野生のワサビもあったし。

Q:光はやはり暗いほうがいいんでしょうか?暗いとしても、どっちかと言うとちょっと明るい方がいいんですか?かなり暗いほうがいいんですか?
A:光はかなり重要。直射日光はダメだが、実はどちらかと言うと明るい方が成長は良い。しかし明るすぎると腐ってしまう。遮光ネットで日当たり具合を細かく調整している。

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農園の屋根部分。遮光ネットを日当たり具合にあわせて被せているそうです。

Q:そもそも私のAQUA-Uを使ったワサビ栽培はどう思われますか?
A:ワサビは根の部分に酸素を豊富に送ることがむちゃくちゃ重要。そういう意味では理にかなっている。ただ底砂が赤玉なのが崩れて酸素不足を招きそうで気になる。実際のワサビ農園は砂利、礫や砂など通水性が良い土壌を用いている。

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水面まで水を上げ、底面フィルターで水を底から吸い込むこの方式は根に酸素を与える上では的を得ているようです。ほっ。でも現在使用している底砂の赤玉ソイルは、今後やばそうだったらアドバイスにしたがって砂利中心にしていこうと思います。

Q:タイマーで照明を時間を管理していますが、何時間くらい点灯するのが良いと思いますか?実際のワサビ農園の日照時間はどれくらいですか?
A:ワサビは北側で育てるのが良いとされている。朝日が少し当たり、西日が当たらないくらいが良い。ワサビ農園の日照時間は季節によって変わるがだいたい6時間程度なので、照明も6時間程度で良いのでは。

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ワサビ農園は北側だから日照時間も短く、西日が当たらないからカエルも涼しげでした。

Q:肥料はどうされていますか?
A:基本的に肥料は使っていない。水と土壌の栄養で十分。ただ落ち葉などの有機物があると良いという地域や、液肥を上げている地域もあるので、環境次第。

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土地によって様々な栽培スタイルがあることがわかりました。少なくとも真妻では肥料は必要ないそうです。加藤水槽の方も様子を見ながら基本は肥料少なくやっていくつもりです。

Q:ワサビ栽培で困ることとは何でしょうか?
A:ヨコエビ等による根の食害。青虫による葉の食害。また、墨入病などの病気。

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ヨコエビはアクアリウムの世界でもちょくちょくお目にかかりますが、ワサビ栽培ではとにかく厄介者だそうです。ちなみに写真のようなコケの生えた石も、ワサビ栽培においては邪魔なだけだそうで、おみやげに石いっぱいもらいました。

他にも色々教わりましたが、上記が主な質問内容でした。ホントすごく勉強になりました。さて、上にもあるように『光がすごく重要』ということですが、それだけじゃ具体的にどれくらい明るくしたらいいかわからない。わからないからiPhoneアプリの簡易照度計で測定してみることにします。

まずは参考値としてその辺の葉っぱ
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直射日光が当たれば10000〜20000LUXは簡単に出る感じです。

そしてワサビ農園のワサビの葉っぱ
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3000〜5000LUXというとこでしょうか。なるほど直射日光を50〜75%は遮光していることになりそうです。

このデータを元に家のワサビも測定してみましょう。

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ぎゃー暗い!暗くするためにわざと光源を遠くしてたんだけど、いくらなんでも暗すぎた!光源をもっと近づけよう。

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ググッと光源を近づけたら、いっきに良さそうな数字が出てきました。なるほどなー。今後は光源を近づけるか、光源を増やすか検討しないといけなさそうですね。

以上、水槽でワサビが育てたい多くの方へ向けたレポートでした。お役に立てていただければ幸いです。

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ちなみに『平井わさび農園』さんからワサビの苗を少し譲っていただきました。平井さん何から何までありがとうございました!大切に育てます!


※1 アプリの照度計はカメラ機能を使った物で、同じ光源でも対象の固有色によって数値が変わります。なので同じ対象(今回は葉っぱの緑色)を違う光源で測定すれば、おおよそ光源の照度の比較ができる、といった使い方をしています。
※2 この照度(LUX)はあくまで人間の目が基準の物であって、光合成の効率は考慮していません。光合成とLUXの関係についてはコチラをご覧ください。
※3 今回使用した照度計アプリ"LUX Light Meter FREE"




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2018年07月29日

僕がAQUA-Uで植物を育てる理由

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こんにちは。AQUA-Uで植物ばかり育てている加藤水槽です。この写真はパッケージや公式サイトに載っているAQUA-Uで水耕栽培をしている写真ですね。このときはバジルを栽培しました。種から育てて、これで2ヶ月位だったと思います。AQUA-Uは観賞魚用水槽なので、当然熱帯魚とかの飼育に向いているんですけど、なんせ私はこの水槽の構造を世界の誰よりもよく知っているんで、普通に魚を飼育するだけでは物足りないのです。ついつい色々なことに挑戦したくなってしまいます。

さてさて、ところで私は色んなガラス容器で植物を育てるのが好きです。

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大きなガラスのボールでコケを育てたり、

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小さなガラスの容器でウォーターローンを育てたり、

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細いガラス容器でネサエアを育てたり、

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ランプのガラスホヤでキューバパールを育てたり、

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ストーブのガラスホヤでオーストラリアンノチドメを育てたり、

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よく分からないランプで多肉植物を育てたり、

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ランプのガラスホヤで今度はヤコウタケを育てたりしてきました。

こんな感じのことを長くやっていますんで、嫌でもガラス容器での植物栽培の良いことも悪いことも気づきます。

『良いところ』
・ガラスだからカッコ良い
・土や根の状態が観察しやすい
・湿度を保ちやすい

『悪いところ』
・古い水が抜けにくい
・土に酸素が供給されにくい
・ガラスだから割れる

等々、他にも色々あるんですが、特に『土に酸素が供給されにくい』と言うのは多くの植物にとってあんまり良くないです。水草のような湿地でも育つ植物なら大丈夫ですが、普通の陸の植物にとってはかなり過酷な環境です。

なので、こんな良いとこどりのガラスの植木鉢も作ったりしました。

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これならガラスの容器でありながら底も抜けているので水も抜ける。とはいえこんな容器簡単には作れない。そこでAQUA-Uなわけです。

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これは実験的にAQUA-Uにアストロフィツム属のサボテンを植えています。かわいいでしょう。

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AQUA-Uは水槽と水槽横のサンプ『U-TOWER』が繋がっているんで、水槽に水を入れた後、U-TOWERから排水できちゃいます。これならガラス水槽でありながら水槽の底から水を全部抜くことができちゃうんです。ガラス容器と植木鉢のいいとこ取りって感じですね。もちろん水を抜かないで、水草や湿地の植物を育ててもいいし、水耕栽培してもいい。ガラス容器でこれと同じことができるものって、他にはないんじゃなかろうか。

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この水槽だからこそワサビだって育てられるわけなんです。このワサビ水槽で水替えの様子を動画に撮ったので良ければ見てみて下さい。百聞は一見に如かずというやつです。


しかもですね、ワサビって水温16℃以下にしないといけないんですよ。さらに水深は2cm、めちゃくちゃ浅い。こんな浅かったら普通、水槽用のクーラー使えませんよ。でも、AQUA-Uなら水槽側の水心が2cmでもU-TOWER側には十分水が溜まるんで水槽用クーラー使えちゃうわけですよ。ガラス容器でこれと同じことができるものって、他にはないんじゃなかろうか!

以上、開発者によるAQUA-Uの宣伝でした。面白い水槽だから、是非たくさん買ってください!




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2018年06月29日

ワサビを本気で水耕栽培してみたい

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AQUA-Uを使えばワサビが育てられるんじゃないかな?とふと思いまして、挑戦することにしました。

ワサビの栽培について調べてみると、ざっと以下のことがわかりました。
・沢で育てる方法と畑で育てる方法がある
・沢で育てるのも畑で育てるのも、品種は基本的に同じ
・辛味成分のアリルイソチオシアネートが根から出でて、他の植物の成長を阻害する
・なんと根から出すアリルイソチオシアネートのせいで、自分の成長も阻害される
・そのせいで畑で育てると根が大きくならない
・沢で育てるとアリルイソチオシアネートが常に洗い流されるから根が大きくなる
・水温は8〜18℃が適正で、13℃前後がベスト
・水深は2cmくらい
・直射日光はダメ。どちらかというと陰性
・沢で栽培した場合、根が食べごろになるには2年かかる

さらっと調べるだけで、これだけのことがわかりました。なるほどこれは難しい。中でも一番厄介なのはアリルイソチオシアネートです。これじゃあ、循環式の水耕栽培では成分が蓄積しちゃって、明らかに良くないじゃないですか。

で、今度はアリルイソチオシアネートで調べてみると、面白いことがわかってきました。アリルイソチオシアネートは殺菌効果があるようで、日用品に応用できないか研究されているらしいんですが、その場合、揮発性が高くて使いにくいのが欠点なんだそうです。揮発性が高い?だったらエアレーションで曝気すれば抜けるんじゃね?そう閃き、その仮説を裏づけする内容はないかなと水耕栽培で調べてみると興味深いブログ『水耕栽培による家庭菜園日誌』を見つけました。そこに「アリルイソチオシアネートは曝気により飛ぶと専門家にアドバイスをもらった」といったような記述がありまして、これは仮説がけっこういい線いってるってことでは?と思ったので、ワサビの水耕栽培、実行に移します!

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私が考えたワサビ水耕栽培はこんなイメージです。AQUA-Uには土をいっぱい詰めます。そんでU-tower側にクーラーとエアレーションをセットします。活性炭も入れときます。これならたまに水を全換えする程度で、いけるはず!

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ということで、準備ができました。

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さあ、セットしようかなと思ったら、吐出口の位置が低い。普通の水耕栽培はできても、これじゃワサビ栽培には長さが足りないよ。ワサビ栽培を想定してないなんて、開発者は何やってんだよー。

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ということで、内径9mmのシリコンホースで10cmくらい延長しました。

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そしてこれがなければ始まらない。ワサビの苗です。

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まったく根が太くないからワサビらしくない。これが大きくなるんだろうか。

これらをセットしたらワサビの水耕栽培、通称ワサビウムの完成です。

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とっても涼しげな水耕栽培になりました。細部を説明します。

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まず目に付くのはものすごい結露です。すっごいビシャビシャです。

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水温16℃!気温がすでに30℃なので、マジで沢って感じです。涼しげ〜。

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AQUA-U側面のスペースに、外形10mmのアクリルパイプを曲げて、クーラー用の配管を通しています。

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上からU-towerを見てみましょう。

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こんな感じでセッティングされています。

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水槽側はこんな感じ。ほぼ土です。底の方は目詰まり防止のために溶岩石、ソイルは通水性を保ちやすそうな増岡さんとこの大粒の赤玉ソイルです。栄養少ないソイルなので、追肥で養分コントロールしやすそうなのも良いです。

こんな感じでワサビの水耕栽培がスタートしました。まだまだ始まったばかりですし、夏が一番の修羅場なので、難しい時期に始めてしまったことを後悔してたりしますが、続報をお待ちください。枯れても許してくださいね。

※普段は結露防止と省エネのため、見苦しいほど保温材でぐるぐる巻きだったりします。

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posted by katoget at 22:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 淡水の話題