2018年09月24日

おもしろ無線水中ポンプとかの作り方


無線水中ポンプを自作して、密閉できるワイヤレス水槽を作成しました。まずは上のYouTubeを見てね。今回はそれを作った経緯や、その作り方を紹介します。


日々面白いアクアリウムネタを探している加藤水槽ですが、あるときネットの掲示板の『あああ アクアリウム機器自作スレ 32作目 あああ』というところの290番目の書き込みで、『Qi(無線給電)を利用した水中ポンプ&ヒーター』という物に出会ってしまいました。いやーホント衝撃でした。ですので、加藤水槽もマネすることにしました。


【Qi水中ポンプの作り方】
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これらが無線水中ポンプと送電機の材料です。290番目さんはヒーターも作成していましたが、難しそうだったのでポンプのみ作ります。材料は上の写真の左からQi受電機、水中ポンプ(DC5V駆動)、Qi送電機(いわゆるスマホの無線充電器)です。まずはこんなんでホントに動くのか実験しましょう。

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とはいえそのままでは水中ポンプと繋げられないので、Qi受電機の先端の端子を剥ぎます。どうもこの端子はマイクロUSBになっているみたい。そもそもマイクロUSBってどうなってるの?そこからわかりません。

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調べた結果、マイクロUSBってこうなっているらしいです。両サイドがプラスとマイナスで、真ん中がデータ送信とかに使われるっぽいです。今回はポンプと繋げるだけなんで、両サイドだけで良さそうですね。端子を剥ぎ取って配線を剥き出しにして接続するので、向きをしっかり覚えておきましょう。

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ということで、端子をぶっ壊して配線を剥き出しにしました。シンプルに2本のみだったので、これはわかりやすいですね。でもうっかりしているとどっちがプラスでマイナスだったか忘れちゃうんで気をつけてください。では早速ポンプと繋げてテストしてみましょう。


うひょー!ホントにポンプが回る!これはワクワクが止まりません。完成目指して作り始めましょう!

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とりあえず、受電機は少しでも薄くコンパクトにしたいので、パッケージみたいのを剥ぎます。

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受電機はこんな感じで円盤状のアクリル板(2mm)と、硬質塩ビ板(0.5mm)に挟もうと思います。0.5mmが送電機側です。Qiはあんまり距離があると受電できないみたいなので、少しでも送電機との間を近づけたいのです。

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アクリル板と塩ビ板の間にエポキシ樹脂を入れて、受電機をサンドイッチ。それを板で挟んで、クランプでがっしり押さえ込みました。

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エポキシ樹脂が固まり、とってもぺったんこになりました。しかしこの後、綺麗にペリペリとアクリル板、塩ビ板からエポキシ樹脂の層が剥がれてしまいました。失敗です。何もプライマーを塗らなかったからですね。でも受電機が綺麗にエポキシ樹脂でシーリングされたんで、これはこれで良しとしました。
今度は信越のプライマーTをアクリル板、塩ビ板に塗って、受電機からはみ出たエポキシ樹脂をチョキチョキ切って、シリコン接着剤でそれをサンドイッチし、無事成功。事なきを得ました。
※普通のシリコンシーリング剤の成分は銅などを痛めるので、電気部品に直接使うのはあんまりオススメしません。電気部品用の信越シリコーンKE-4898等を使用するのがオススメです。

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続いて、ポンプと受電機を半田付けします。プラスマイナスを間違えないように半田付けし、熱伸縮チューブで絶縁しました。

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ポンプをアクリル板に接着し、配線をポンプ背面にシリコンで埋め込みます。こういうポンプは大抵本体がABSなので、アクリル樹脂用の接着剤によく溶け、アクリル板とはがっちり接着できます。配線は、写真のマスキングしていない箇所にプライマーTを塗って、そこに黒いシリコーンを盛り、その中に埋め込む感じにしました。

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あとは形を整えて、Qi水中ポンプの完成です!続いて、送電機を作りましょう。


【かっこいいQi送電機の作り方】
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Qi送電機を作ろう、といっても商品の時点で完成しているので、中身だけ利用して水槽の置きやすい送電機にしましょう。

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パカッと中身を開きます。こうなってるんだね。

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送電機の基板を木の中に埋め込んでかっこいい土台を目指します。選んだ木材は美しいブビンガです。基板の入るところをできるだけ薄くしましょう。

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ぎゃー貫通してしまいました。失敗です。

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リベンジです。ケヤキを使うことにしました。

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今度は何とか成功しました。ルーターを使ったんですが、むちゃくちゃ怖いのでルーター嫌いです。

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送電機を埋め込む場所は光を通すほど薄くなりました。

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こんな感じで送電機をエポキシでまず本体に接着しました。

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強度アップのため、余った空間はポリエステル樹脂で充填し、コチコチにしました。

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木材の塗装はウレタン樹脂+研磨を2セットし、仕上げは自然な風合いにするため、植物性のワックスを何度か塗りこんでいます。

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木材の風合いがかっこいいQi送電機の完成です!もちろんスマホも充電できます。



【底面フィルターユニットの作り方】
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ポンプだけではろ過ができないので、底面フィルターを作ります。最初はとっとと完成させたかったので写真のようなペラペラなPET樹脂を使っていましたが、しょぼくてかっこ悪い。ちゃんと作ることにします。

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3mmのアクリル角棒を並べてスノコを作ることにしました。イラレでサクッと配置図を作って出力します。

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配置図に合わせて丁寧にアクリル角棒を並べて配置し、接着します。ひたすらコツコツやります。

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形を整えて完成です!今回一番作るのが大変でした。

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ポンプとドッキングするとこんな感じになります。




そしてQi水中ポンプ、ケヤキ送電機、底面フィルターをセットして完成したワイヤレス水槽が、動画に写っているこれらです。

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無線だからこんな感じでフタがしっかりできるのが特徴です。これなら魚も飛び出さなくて良いですね。

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こんな感じでアクアテラリウムにしてもいいですね。揚程を測定したところ、50cmもあったんで湧き水レイアウトにしました。

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この流木の頂上から水が延々と湧き出ます。

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そして密閉できるという特徴を生かして、完全密閉アクアリウムも作ってみました。スノードームみたいでしょ。

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なんとエビがいる。このレイアウトを作るのは大変でした。

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お風呂の中にエビさんを泳がせ、レイアウトを作り、レイアウトにエビさんがくっ付いた瞬間を閉じ込めました。いやー無茶をしました。メンテナンス性は皆無なので既に解体しましたが、いつかこんな完全クローズドアクアリウムでノーメンテナンスの物を作ってみたいものです。

以上Qi水中ポンプや送電機の作り方でした。Qiを利用すれば無線LEDや他にも色々作れそうなので、そのうち作ってみようかなと思っています。お楽しみにー!





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2018年08月13日

ワサビ農園でワサビを学ぶ【ワサビウム】

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6月28日 ワサビウム立ち上げ

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7月16日

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8月10日

ワサビウムを立ち上げて2ヶ月近く経ちました。もともと付いていた葉はシナシナになって落ち、ボリュームが減っています。これはどうなんだろうか。やばいのか?やっぱりこの暑さが原因か?

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ということでワサビの勉強をするためにワサビ農園に行くことにしました。和歌山の印南町、駅から1日4本しかないバスに乗って、昔は真妻と呼ばれた地域まで来ました。暑い。

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バスから降り、歩いてワサビ農園に向かう途中、ふと小川を見たら…

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あ!あれワサビじゃね?野生化したワサビだ。いや、もしかしたらフキ?どっちかわからないけど、これは期待できます。

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ということでやってまいりました『平井わさび農園』さんです。真妻のワサビと言えば高級品で、以前は農園も多かったそうですが、台風などで何度も大きな被害を受けてワサビ農園が激減。そんな中、平井わさび農園さんは現在唯一、和歌山で生業としてワサビを栽培し、真妻のワサビ文化を守っているという、めちゃくちゃかっこいい農園です。詳しくはこちらこちらこちら

そんなすごいワサビ農園に飛び込み、ワサビ栽培について色々教えてもらってきました。『平井わさび農園』さん本当にありがとうございました!教えていただいた内容をQA風に簡略化して記載します。

Q:加藤水槽のワサビウムが最近元気がないように感じます。水温は14〜16℃にしていますが、やはり気温が問題でしょうか?
A:ワサビは水温が13度前後がベストであり、水温さえ合っていれば気温はある程度暑くても寒くても大丈夫。また、ワサビが生長するのは春と秋、特に春であり、夏や冬は成長が止まり古い葉は落ちるのはしかたがない。

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ワサビ農園の水、むちゃくちゃ冷たくて長く足つけるのはきつかったです。でも確かに沢周辺でも気温はそこまで涼しくはなかったかもですね。野生のワサビもあったし。

Q:光はやはり暗いほうがいいんでしょうか?暗いとしても、どっちかと言うとちょっと明るい方がいいんですか?かなり暗いほうがいいんですか?
A:光はかなり重要。直射日光はダメだが、実はどちらかと言うと明るい方が成長は良い。しかし明るすぎると腐ってしまう。遮光ネットで日当たり具合を細かく調整している。

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農園の屋根部分。遮光ネットを日当たり具合にあわせて被せているそうです。

Q:そもそも私のAQUA-Uを使ったワサビ栽培はどう思われますか?
A:ワサビは根の部分に酸素を豊富に送ることがむちゃくちゃ重要。そういう意味では理にかなっている。ただ底砂が赤玉なのが崩れて酸素不足を招きそうで気になる。実際のワサビ農園は砂利、礫や砂など通水性が良い土壌を用いている。

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水面まで水を上げ、底面フィルターで水を底から吸い込むこの方式は根に酸素を与える上では的を得ているようです。ほっ。でも現在使用している底砂の赤玉ソイルは、今後やばそうだったらアドバイスにしたがって砂利中心にしていこうと思います。

Q:タイマーで照明を時間を管理していますが、何時間くらい点灯するのが良いと思いますか?実際のワサビ農園の日照時間はどれくらいですか?
A:ワサビは北側で育てるのが良いとされている。朝日が少し当たり、西日が当たらないくらいが良い。ワサビ農園の日照時間は季節によって変わるがだいたい6時間程度なので、照明も6時間程度で良いのでは。

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ワサビ農園は北側だから日照時間も短く、西日が当たらないからカエルも涼しげでした。

Q:肥料はどうされていますか?
A:基本的に肥料は使っていない。水と土壌の栄養で十分。ただ落ち葉などの有機物があると良いという地域や、液肥を上げている地域もあるので、環境次第。

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土地によって様々な栽培スタイルがあることがわかりました。少なくとも真妻では肥料は必要ないそうです。加藤水槽の方も様子を見ながら基本は肥料少なくやっていくつもりです。

Q:ワサビ栽培で困ることとは何でしょうか?
A:ヨコエビ等による根の食害。青虫による葉の食害。また、墨入病などの病気。

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ヨコエビはアクアリウムの世界でもちょくちょくお目にかかりますが、ワサビ栽培ではとにかく厄介者だそうです。ちなみに写真のようなコケの生えた石も、ワサビ栽培においては邪魔なだけだそうで、おみやげに石いっぱいもらいました。

他にも色々教わりましたが、上記が主な質問内容でした。ホントすごく勉強になりました。さて、上にもあるように『光がすごく重要』ということですが、それだけじゃ具体的にどれくらい明るくしたらいいかわからない。わからないからiPhoneアプリの簡易照度計で測定してみることにします。

まずは参考値としてその辺の葉っぱ
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直射日光が当たれば10000〜20000LUXは簡単に出る感じです。

そしてワサビ農園のワサビの葉っぱ
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3000〜5000LUXというとこでしょうか。なるほど直射日光を50〜75%は遮光していることになりそうです。

このデータを元に家のワサビも測定してみましょう。

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ぎゃー暗い!暗くするためにわざと光源を遠くしてたんだけど、いくらなんでも暗すぎた!光源をもっと近づけよう。

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ググッと光源を近づけたら、いっきに良さそうな数字が出てきました。なるほどなー。今後は光源を近づけるか、光源を増やすか検討しないといけなさそうですね。

以上、水槽でワサビが育てたい多くの方へ向けたレポートでした。お役に立てていただければ幸いです。

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ちなみに『平井わさび農園』さんからワサビの苗を少し譲っていただきました。平井さん何から何までありがとうございました!大切に育てます!


※1 アプリの照度計はカメラ機能を使った物で、同じ光源でも対象の固有色によって数値が変わります。なので同じ対象(今回は葉っぱの緑色)を違う光源で測定すれば、おおよそ光源の照度の比較ができる、といった使い方をしています。
※2 この照度(LUX)はあくまで人間の目が基準の物であって、光合成の効率は考慮していません。光合成とLUXの関係についてはコチラをご覧ください。
※3 今回使用した照度計アプリ"LUX Light Meter FREE"




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2018年07月29日

僕がAQUA-Uで植物を育てる理由

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こんにちは。AQUA-Uで植物ばかり育てている加藤水槽です。この写真はパッケージや公式サイトに載っているAQUA-Uで水耕栽培をしている写真ですね。このときはバジルを栽培しました。種から育てて、これで2ヶ月位だったと思います。AQUA-Uは観賞魚用水槽なので、当然熱帯魚とかの飼育に向いているんですけど、なんせ私はこの水槽の構造を世界の誰よりもよく知っているんで、普通に魚を飼育するだけでは物足りないのです。ついつい色々なことに挑戦したくなってしまいます。

さてさて、ところで私は色んなガラス容器で植物を育てるのが好きです。

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大きなガラスのボールでコケを育てたり、

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小さなガラスの容器でウォーターローンを育てたり、

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細いガラス容器でネサエアを育てたり、

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ランプのガラスホヤでキューバパールを育てたり、

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ストーブのガラスホヤでオーストラリアンノチドメを育てたり、

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よく分からないランプで多肉植物を育てたり、

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ランプのガラスホヤで今度はヤコウタケを育てたりしてきました。

こんな感じのことを長くやっていますんで、嫌でもガラス容器での植物栽培の良いことも悪いことも気づきます。

『良いところ』
・ガラスだからカッコ良い
・土や根の状態が観察しやすい
・湿度を保ちやすい

『悪いところ』
・古い水が抜けにくい
・土に酸素が供給されにくい
・ガラスだから割れる

等々、他にも色々あるんですが、特に『土に酸素が供給されにくい』と言うのは多くの植物にとってあんまり良くないです。水草のような湿地でも育つ植物なら大丈夫ですが、普通の陸の植物にとってはかなり過酷な環境です。

なので、こんな良いとこどりのガラスの植木鉢も作ったりしました。

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これならガラスの容器でありながら底も抜けているので水も抜ける。とはいえこんな容器簡単には作れない。そこでAQUA-Uなわけです。

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これは実験的にAQUA-Uにアストロフィツム属のサボテンを植えています。かわいいでしょう。

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AQUA-Uは水槽と水槽横のサンプ『U-TOWER』が繋がっているんで、水槽に水を入れた後、U-TOWERから排水できちゃいます。これならガラス水槽でありながら水槽の底から水を全部抜くことができちゃうんです。ガラス容器と植木鉢のいいとこ取りって感じですね。もちろん水を抜かないで、水草や湿地の植物を育ててもいいし、水耕栽培してもいい。ガラス容器でこれと同じことができるものって、他にはないんじゃなかろうか。

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この水槽だからこそワサビだって育てられるわけなんです。このワサビ水槽で水替えの様子を動画に撮ったので良ければ見てみて下さい。百聞は一見に如かずというやつです。


しかもですね、ワサビって水温16℃以下にしないといけないんですよ。さらに水深は2cm、めちゃくちゃ浅い。こんな浅かったら普通、水槽用のクーラー使えませんよ。でも、AQUA-Uなら水槽側の水心が2cmでもU-TOWER側には十分水が溜まるんで水槽用クーラー使えちゃうわけですよ。ガラス容器でこれと同じことができるものって、他にはないんじゃなかろうか!

以上、開発者によるAQUA-Uの宣伝でした。面白い水槽だから、是非たくさん買ってください!




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